政治

2008年5月11日 (日)

洞爺湖で、ちょっと感じ、考えたこと

少し前のことですが、4月5日の土曜日にG8サミット開催予定の洞爺湖 The Windsor Hotelで、総理大臣、経済産業大臣、環境大臣も参加する「地球温暖化問題に関する懇談会」が開催されました。トヨタの奥田さんが座長です。前日の夜遅くに到着、翌日はいい天気になりました。ホテルから観た洞爺湖の展望は素晴らしく、なかなかのものでした。

洞爺湖周辺のホテルの数や質はどんなものでしょうか?随行者、プレスも含めるとどのくらいの人が来られるのでしょう?最近ではG8のような国際的な会議には、政府関係者ばかりでなく、NGO関係者の方々も多く参加されるようになりました。参加の形は違っても、ゲリラ的ではなく、会議の一部になってきました。これだけ大勢だと、宿泊は札幌も使うことになるのでしょうか?ちょっと不便かも知れませんでしょうね。G8ばかりでなく、G5も含めた他の国の元首も何人も来られます。今、日本を訪ねている胡錦涛中国国家主席も当然来られます。政府関係者ばかりでなく、シークレットサービスなどなど、かなりの人数が集まるのでしょうね。

会場とその近辺の保安等は大丈夫でしょうか?ホテルへのアプローチは一本ですが・・・。警察も自衛隊も一緒になって一生懸命考え、シミュレーションを繰り返していることだと思いますが、各国の国家元首が来るのですから、その辺りは別途、それぞれの国が日本側とも連携を取りながらも、当然のように個別に対策を考えていることと思います。ホスト国に国家元首の安全と保安を全部任せるなど、とても考えられませんしね。


2008年5月 9日 (金)

Bill Gatesとの会談

Dscn05067日の朝からJakartaへ。Microsoftが主催する「The Government Leaders Forum- Asia」のパネル、“IT and Healthcare”のKeynote Lectureにお招きを受けたのです。日本からも慶応大学副学長でネットと言えばの村井純さん(パネル素晴らしかったです)、広島市長の秋葉さん他、約20人ほどが参加されました。

この会議はMicrosoftがアメリカでスタートさせ、次いでヨーロッパ、そしてアジアでは4年目になるようです。Indonesiaの担当大臣はじめ、ASEAN事務総長のSurinさん(この2ヶ月間で3回も会っています)などの講演のあと、第1日目は3つのパネルがありました。Indonesia大統領、そしてBill Gatesの講演は2日目に予定されていましたが、私は残念ながら1日目の夕方にホテルを出発し、帰国の途に着きました。ちょうど44時間ほど、日本を離れていたことになりますね。

私のパネルのあと、Gatesさんとの会談がセットされていて、先日のGlobal Health Summitのこと、G8を始めとするグローバルな課題、教育や医療の“IT化”の課題などについて話をしました(写真、さすがに周りはピリピリしていました)。
とても切れますね、黙っているときも資料に目を通していました。日本Microsoftの大井川さんの話では、いつももっと気難しそうにしていて、あんな表情のGates氏を見たことがないと言っていました。


2008年4月16日 (水)

フランス文部科学大臣来訪

4月10日、フランスのFillon首相とPecresse文部科学大臣が来日され、11日の朝に文部科学大臣のMs. Valerie Pecresseの訪問を受けました。大臣とは昨年の6月12月にお会いしています。彼女は学生の頃に日本語を勉強し、過去に2度ほど日本で仕事をされています。部屋に入ってくるなり、いきなり日本語で「キヨシさん、お元気ですか!」。

話は、今年のG8洞爺湖サミット前の6月に沖縄で開催されるG8科学担当大臣会合の件や、いくつかの科学政策・高等教育政策についての議論が中心でした。Franceは大学と国立研究所の大改革の最中で、学生や大学関係者たちのデモなどもあり奮闘しています(日本にはデモをするエネルギーもないようですけど)。まだ40歳という若さで、お子さんも二人を育てながらの活躍は素晴らしいです。

Minissterpecress02写真1 Pecresse大臣と

夜はFrance大使館でFillon首相の歓迎レセプションに出席しました。団十郎さんの流暢なフランス語のご挨拶と邪気払いの“にらみ”、眼力のご披露がありました。Fillon首相の挨拶の後、Swiss大使公邸に向かい、今年行われたダボス会議の“お礼”レセプションに出席。さらにそこから移動して米国内科学会会長のDale先生ご夫妻との会食に向かいました。


2008年4月 4日 (金)

野口英世アフリカ賞の受賞者発表

小泉総理が2006年5月のアフリカ訪問中に発表した野口英世アフリカ賞は、Africaの健康問題に対する医学的貢献と健康保健への貢献という2つの部門で授与される賞で、Africaだけでなく世界にも注目されている賞です。授賞式はこの5月末のTICAD開催にあわせて行われます。このたび2人の受賞者が決まり、発表されました。私は選考委員長を務めましたが、全員一致の結論が得られてとてもうれしかったです。

医学では英国のGreenwoodさん。医師として30年間もAfricaで活躍、マラリアや各種感染症対策に貢献されました。

健康保健分野ではKenyaのWereさん。この方も多くの反対にもかかわらず、40年にわたって基本的な衛生環環境づくり、特に女性と子供にフォーカスした活動を地道に続け、KenyaそしてAfricaの健康増進に大いに貢献されたのです。

このニュースは世界中で報告され、特に野口英世が活躍した場であり、その支援を惜しまなかったRockefeller大学、WHO、またWereさんの活動の中心のUZIMA Foundation、世界銀行などで報告があげられたそうです。

5月のTICAD、7月のG8サミットへ向けて、日本のリーダーシップに勢いをつける機会になるといいのですが。

以下のサイトは各国でなされた報道や反応です。ご参考まで。

British Embassy in Japan
Ministry of Foreign Affairs

<international organization>
WHO
World Bank
Rockefeller University
Gates Foundation
Rockefeller Foundation
Roll Back Malaria Partnership
London School of Hygiene and Tropical Medicine
PEPFAR
AMREF
Medicines for Malaria Venture
Association of School of Public Health
Global Health Council
USAIDS
Society for International Development
UN radio
University 500 news

<press coverage inside Japan> (English version. There were many articles in Japanese.)
Japan Today

<press coverage outside Japan>
Kenya Broadcasting Corporation
Breitbart
Capital FM
Africa Science News Service
Apanews

Africa News Source
Africa News
The Nations (Kenya)
Medical News Today
Medical Health Articles
Health Care Industry
a2 media group
Med Store News
Latin America News Agency
Kinhua PR Newswire
Institute of Medical Infomation/Medical Library in China
YNCDC in China
Korean Healthlog

それにしても、日本の海外援助の凋落が目立ちますね。1990代は世界一であり、アジアの再興、成長にも大いに貢献したのに、いまやGDPで世界第2の国でありながら、今や米、独、仏、英にも抜かれて第5位、このままではオランダ、スペイン等に次々と抜かれると予測されています。財政事情があるとはいえ、残念なことですね、これは国家の信頼と信用問題です。政策を変えられないのですね。

世界がドンドン変わってきているのに、国内事情ばかりで変われないとか。政治、官僚、産業、学など、それぞれのリーダー的立場の人たち、しっかりしてください。できない理由をいうことは誰にもできるのです。責任ある行動です。


2008年3月21日 (金)

ブレアBlair首相との会見、そして「ブレアプロジェクト」参加へ

3月14~16日、「G20エネルギー、環境担当大臣会合」が幕張で開催されました。

13日の朝はJeffrey Sachs教授とお会いして、先日のGlobal Health Summitのこと、Bush大統領がAfrica訪問中に発表された、AfricaのHIV、Malaria、結核以外の感染症への支援に関する発表などを受けて懇談しました。いろいろな形のODA貢献や、目に見え、成果の挙げられる貢献、資金援助のあり方などです。夕方からはColumbia大学の上海会議があり、私もお招きを受けていましたが今回は残念ながらご辞退しました。

その後すぐにGIES 2008に参加。これが第3回目です。GIES 2007は去年6月に開催され、私の「Innovation 25」の話もwebcastで聞くことができます。

14日朝は、「G20」に参加している英国のMalcolm Wicksエネルギー大臣と会談。15日の午前は去年まで英国首相であったTony Blair氏と会談(写真1)。Blair氏はこの日の朝に「G20」で基調講演を行っていて、気候変動に関するG8 Summitの政策、中国政策、そして他の途上国への対応等について意見交換をしました。彼は2005年のGleneagles G8 Summitで始めて気候変動を主要テーマにしたのです。だからこそBlairさんは、フォローアップの努力を今も続けているのです。Davos会議もよく活用していて、今年行われた福田総理の講演の座長もしました。チームを作って活動を進めるとのことで、今回から私もそのチームに参加することになりました。楽しみです。Blairさんはこの後に北京、New Delhiと訪問予定で、その間にもスタッフとメールで、早速やり取りをはじめています。また、忙しくなりそうです。

Tblair1


写真1 Tony Blair氏と




16日の午後は、環境省、東京都などと日本経済新聞主催の「温暖化シンポジウム」で昼食会(写真2)。その後、Blair氏の基調講演、さらに鴨下大臣、石原都知事などのパネルが行われました(写真3)。詳細はいずれ日経新聞に出ると思います。

2200803

写真2 昼食会で、左から、私、首都大学長西沢さん、並木環境大臣政務官、Graham Fry在日英国大使、Blair氏、石原都知事



3200803

写真3 左から鴨下環境大臣、Blair氏、石原都知事




4200803

写真4 Fry在日英国大使と、講演会の開始前に


2008年3月10日 (月)

The Economistの会議: 日本の強み、弱み。

3月5日、朝8時から総理官邸で「地球温暖化に関する懇談会」の第1回に参加。ちょっとスタートが遅すぎる感じもありますが、ダボス会議の講演をはじめ、総理の考えがだんだん前進しているのです。結構なことです。でも国会は予算委員会、道路財源、ガソリン税、日銀総裁人事等々、課題が山積です。

世界で最も読まれている経済紙の「The Economist」は、最近の号で「JAPAIN」(「JAPAN」ではない)という見出しの特集で、世界第2位の経済大国にもかかわらず、この危機的な状況になっても日本は政治的リーダーシップがないと報告をしていました。その「The Economist」主催の会議があり、午後のパネルに出席しました。昼前のセッションにも少し顔を出しましたが、渡辺喜美大臣、松井証券の松井さん等の論客が「社会主義国日本の苦悩」について話していました。また午後には政務官の方(勿論、政治家です)も出ていましたが、政務官は大臣の補佐をする役目なのに、役人の書いたものをそのまま読んでいるなんて変ですね。世界とは逆です。「ギャグ」か?だから“leader”ではなくて“reader”と言われるのです。参加者の半分は外国人なのにこれではね。日本人に「R」と「L」の発音が区別しにくいのはわかりますが、こうまで言われるようでは・・・。日本の役所と大臣の関係は世界からまったく理解できない変な政府なのです。

昼食時には民主との岩国哲人議員の講演がありました。午後の最初のパネルに参加したのですが、この内容は石倉さんのblogを見てください。Panelistsは4人でそれぞれ10分ほどプレゼンしました。私は最後の締めくくりとして、4つのことについて話をしました。(1)まず「We ‘eated’ lunch next room and enjoyed a lecture by Iwakuni-san」という言葉からはじめました。「We eated lunch」は間違った言い方ですが、誰も私をとがめもしないし、笑いもしませんでした。英語としてちゃんと通じているのです。ここで「We eated」じゃなくて「We ate」だというのは正論ですが、「eated」で十分に通じるのです。正しい文法を気にするのもいいですが、「まず英語を喋ることからはじめましょう」という一例です。これがグローバル時代の共通語としての「ブロークン英語」なのです。

Panelistの一人、Nokiaの役員はいい話をしました。世界で毎日100万台の携帯電話が売れていると。そこで、私の(2)は世界の携帯シェアは38%がNokia、14%がMotorola、12%がSamsung、9%がSONY-Ericksonで、日本の携帯電話は10数社を合わせても世界の5%程度のシェアですと話しました。DoCoMoなどのキャリアが縛っているからだということを言う人もいますが、その通りでしょう。でも部品では日本製の性能は良く、世界中の携帯電話の部品の65%程度が“made in Japan”なのです。日本の強さと弱さをしっかり認識して、グローバルにビジネスをしなくてはいけないということです。

次に(3)として、AppleがiPhoneを出したら日本の各キャリアが、是非うちに取扱わせて欲しいとAppleに陳情に行くのですから、日本の携帯電話産業にかかわる人たち、技術者、経営者とその組織の全体に問題ありと指摘しました。“世界”のお客さんのほうを見くことが大事です。大体、Appleは1997年には、資金が5週間分しかなくて、もう破産かどこかに吸収されると言われていたのですよ。日本の企業もここまで追い込まれないとダメなのですかね。すぐに役所に陳情という企業体質も問題ですね。

大企業、役所、老舗で次々と起こる、信じられないほど幼稚なトップの不祥事。これはなぜ起こるのか良く考えてください。しかも、経営者は自ら辞めもしない、社長を辞めるといっても取締役として残っているとか、本当にみっともない。こんな社会の「上の方たち」が“品格”などとよく言うよ!と覚めた感じが社会、そして若者に蔓延しているのも当然です。社会のどこもかしこもトップは腐っています。自分から、きちんと社会的責任を取ってもらいたいものです。これでは経済成長もどんなものでしょうか。

最後に(4)として、ポケットからiPodを取り出して、このピカピカした裏のデザインと試作品は日本、生産は台湾企業、その生産工場は中国、内部部品もいくつか日本製品が入っている。でもこれはすべて部品メーカー。Appleは何も作らず、全体のシステムとコンセプトを作り出したこと、そして一つの製品の利益率が50%などという話しをし、「ものつくり」は大事だが、何を目的に、何を作るのか、そしてどう顧客を掴むかが大事だという話をしました。iPodの使用説明書は至極簡単ですね。全部ネットでみれます。日本の携帯電話をはじめとする電気製品の説明書の判り難さ、想像を絶しっていますね。技術者が書いているのでしょうが、根本的にユーザーを向いていないのです(「理科系の作文技術」-1981年、中公新書など、木下是雄先生の著書が面白いですよ)。この辺については林信行さんが書かれた「iPhoneショック」(日経BP社、2007年)が参考になるでしょう。

日本の強さと弱さ。技術は素晴らしいですが、構想力と世界への行動力の欠如。所詮は経営ですね、弱いのは。社長も「2年2期」など、勝手な内向き規則で平気な顔をしているなんていうのは、この世界の情報化時代に信じられないことなのです。これは市場経済の基本的事項。日産がゴーンさんを招いた時に「2年2期」などという内規を伝達したとは思えませんが、どうでしょう。日本の常識ばかりに囚われるのもいい加減にしてください。

今の日本に必要なのは1960年代の「SONYの盛田さん」のような経営者でしょうか、と言うとすぐに時代が違うとか、あの人は特別、誰それがいたからなどとまずできない理由を考える人は経営者として失格ですね。


2008年2月27日 (水)

Global Health-2

2月16日の午前は、私たちのNPO Heath Policy Institute(HPI)が例年行っている「医療政策サミット」を開催しました。理事や顧問の方たち、それから普段からお世話になっている方々をお招きして、わが国の医療制度をめぐるセッションを行いました。

そして午後は、これまで3年間のHPIの活動の経過を踏まえ、「Global Health Summit: Advancing our promises for TICAD/G8 and Beyond」というテーマで、国際会議を開催しました。司会はNHKの道傳さんです。

基調講演は小泉純一郎元総理の「健康と環境」というテーマでした。さすがにお話が上手くて、皆さんを惹きつけていました。原稿なしで、時間はきっちり30分。脚気から、食生活の変化、長寿社会となった日本、そして「変人」は“eccentric, crazy”ではなくて“extraordinary”という話、三浦安針・William Adamsと壊血病の知識、2日前に宮古島へ行って見たサトウキビから作るバイオエタノールと石油業界からの抵抗の話等々。参加者の半分は海外の方でしたが、素晴らしいオープニングでした。

1


写真1 小泉元総理の講演




2_4





写真2 世界銀行のPhumaphi副総裁







緒方貞子さんはアフリカへご出張中で、ビデオで挨拶をされました。ついで世界銀行副総裁の一人Phumaphiさんの講演、パネルはDevelopment Bank of South Africa、そしてGAINを率いるJay Naidooさん(今年のダボスでBonoたちと行ったセッションでお会いしました)、このブログで何度も紹介しているGates財団のDr. Tachi Yamada、マラリアにすばらしい効果を挙げている蚊帳(Olyset Net)で世界的にも有名な住友化学の米倉社長、日本の本格的なNPOの元祖ともいえる日本国際交流センター山本正理事長、そして世界銀行のWashington DC本部で活躍している前田明子さんという豪華なメンバーで、実りの多い議論が進みました。多くの日本の方たちにはアフリカでの日本の貢献など、新しいことも多かったと思います。そして、外務省の鶴岡審議官がTICAD、G8サミット等への日本政府の考え方等について話をしました。締めくくりはサミットの開催地である洞爺湖が地元の、民主党 鳩山幹事長からのビデオメッセージでした。

3

写真3 パネルで、手前からNaidooさん、Yamadaさん、米倉さん




4

写真4 パネルで、手前から道傳さん、前田さん、山本さん




それぞれがGlobal Healthを考える世界のリーダーたちです。Naidooさんは日本が大好きという13歳のお嬢さんを初めて日本に連れてこられたということでした。

レセプションも大いに盛り上がり、TICAD、G8サミットの主催国である日本への期待の大きさが感じられました。

翌日17日(日)は、G8 NGO Forumの主催で、日本でGlobal Healthの分野で活動をしているNGOの方たちとの意見交換の場が設けられ、これも実り多いものでした。

いつも言っていることですが、今年の日本は5月のTICAD、7月のG8サミットと、世界の注目を集める大事業があり、特にG8サミットは日本での開催が最後になる可能性が高いと思います。そういった面でも、今回の会議は大変にタイムリーで、実りの多いものだったと思います。

HPIという独立したシンクタンクが、世界銀行、外務省、財務省、厚生労働省、Gates財団等と協働して会議を開催することは、必ずしも官主導ではない形で政策にかかわる、開かれたプロセスです。グローバル時代の日本の方向性を垣間見せたような会議であったと感じます。

参加して頂いた方たちに心からお礼申し上げます。また企画・運営に参加した人たち皆さん、ご苦労様でした。

(写真撮影:工藤 哲)


2008年1月28日 (月)

ダボスから、その4

ホテルの部屋の窓から見た朝の風景(写真1)。真ん中の遠くにとがった山、これはマッターホルンに似ていますが、Tinzenhornといいます。

1img_1077写真1

会議はいよいよ最終日。総理が朝に到着して、Gates、Blair、Bono等と会談。11時30分からは大ホールで講演があり、壇上にはこの会議を主催するSchwab教授とBlair英国前首相もあがられました。私はといえば、Bonoと彼のスタッフ等と最前列に座りました。やはり、総理はかなり緊張されていたようで、どうしても話し方が早くなりがちでした(写真2)。私は英語で聞いていたのですが、英語訳は原稿があるのでどうしても遅れがちです。講演の内容は良かったと思います。あとは政治家の演説として、うまく編集すればもっとよかったでしょう。Blair氏から3点、Schwab氏から2点ほど質問がありました(写真3)。NHKでもテレビ放映したそうですね。友人から早速メールが入りましたが、皆さんはどう思われましたか?

2img_1080


写真2




3img_1082


写真3




総理の演説が行なわれる直前、この大ホールで行なわれたパネルが世界経済の動向に関するもので、超満員。Clinton政権時代の財務長官で、Harvard学長でしたが女性差別失言で学長を退任した超優秀経済学者のSommers氏などが参加されましたが、皆さんに明るい見通しは持っていないようです。このパネルからの流れで、世界経済動向についての質問が総理にあったのですが、パネルのムードとはちょっと違うコメントになってしまったのも致し方ないでしょう。こういう場では臨機応変も問われるのですが、サポート役にはとても余裕がなかったのでしょうね。日本の総理が会議に参加したのは、確か2001年の森総理以来ですから、それだけでも大変に意味がありました。総理もサポートの皆さんも本当にご苦労様でした。5月のTICAD、7月のG8と、国民のためにも、皆さんしっかり頼みますよ。

この後、総理はビジネス関係者の方たちとの昼食会。随行記者やCNN等のインタビューに答えた後、すぐに帰国の途へ着きました。

4img_1086


写真4 奥田さんと




5img_1087

写真5 会場で、左から氏家さん、日本碍子の柴田さんご夫妻、奥田さん、私、竹中さん




6img_1089


写真6 会場で仕事をする私




夜は、ホテルで東京レセプション。石原都知事は来られず、猪瀬副知事がホストでした。その後は会議場でコンサート、諏訪内晶子さんがメインで、Bruchの「Concert, No. 1」とムソルグスキーの「展覧会の絵」でした(「展覧会の絵」を最後まで聞いたのは始めて)。諏訪内さん、素晴らしかったです。これは私の持論ですが、世界の日本人では一般的には女性が輝いています。「個人」としての存在では、男性と比べると断然存在感が違うのです。特に日本では多くが「組織の肩書きあっての男性」たちですから。ダボス会議での“日本の顔”といえば、いつもそうですが、なんと言っても緒方貞子さんなのです。

コンサートの後はソワレ。今年はトルコが主役で、トルコ料理ずくしでした。

7img_1093

写真7 出井さん、竹内弘高先生ご夫妻、Schwab会長と




8img_1094

写真8 出井さん、竹内弘高先生ご夫妻、MITメデイアラボのデザインで有名なジョン・マエダ教授



マエダさんはMITでTenureのある超有名教授ですが、これまた冒険で、Rhode Island School of Designの学長を引き受け、6月から移るそうです。いいですね、この精神。こういう人が何人も出てこないと日本の研究も、大学も活性化しませんし、学生、若者も元気は出ませんよね。いつも言っていることですが“個人力”ですよ。


2008年1月26日 (土)

ダボスから、その3

25日は朝早くからゲイツ財団のDr. Tachi Yamadaと2月に行う東京での会議の打ち合わせ、そしてこちら側の打ち合わせと忙しい午前でした。

午後はイノベーション関係のセッションと、プレナリーの「開発のドライバー」の最初の少しだけ出席。昨日紹介したMs. Nooyi(Pepsi社長)の司会で、Bill Gates、Gordon Brown英国首相、Zoellick世界銀行総裁、Treschow Uniliver会長、そしてTrevor Manuelで行われていました(写真1、2)。

Img_1064

写真1 左からGates、Brown、Nooyi、Zoellick、ManuelとTreschowさん




Img_1066


写真2 司会のNooyiさん。




最初のちょっとだけというのは、緒方貞子さんとBono(写真3)、それと日本の有力者で、Africa開発、TICAD、G8サミットと世界からの期待に対して、どのように日本の意識を国内外に示し、行動に移せるか、というテーマで応援団的なセッションがあったからです。トヨタの奥田元会長、塩崎恭久さん、川口順子さん、UNESCOの松浦事務局長、小宮山東大総長などが参加されていました。昨日もBonoのスタッフと会って話しましたし、これからもいろいろと協力し合うことになると思います。Bonoは緒方さんをとても尊敬していて、Africaにおける日本のODA活動は長い歴史があり、欧米のそれとは違って、とても上手くいっていることなど、よく知っています。今年は日本にとって大事な年で、そこに何ができるか、実に真剣に考えています。しかし、いろいろな活動があるものですね。教えられることも多いです。日本で行ったコンサートでは3日間で12万人が来てくれたとか(コンサートでもいろいろな工夫を仕掛けていたようですね、後で聞きました)、皆が何が出来るのか考え、とても情熱を感じるけど、でも政治のレベルでは内外に知られていないことなど、考えてくれていました。

Img_1067


写真3 会議前のBonoと




また、BonoやGoreをサポートしているSun MicrosystemsのJohn Gageも参加していました。彼とはこの4年ほど、毎年ここダボスで会っています。

皆さんも考えてくださいね。一緒に広い世界へ思いを広げて活動しましょう。

去年の報告にも写真をつけて紹介したGoogle創始者のLarry Page(気候変動やglobal healthなどにもとても関心が高く、Google Foundationも立ち上げ活動しています)、そしてYouTubeのSteve Grove(写真4、5)ともばったり。

Img_1072


写真4 Larry Page、Steve Groveと




Img_1073

写真5 一ツ橋大学の竹内弘高さん、ダボス会議のWorld Economy Forum事務局の土屋君、Larry Page、Steve Groveと



(土屋君とSteve GroveはHarvard Kennedy Schoolで一緒だったそうです。だから面白いのです。個人力ですよ、グローバル時代の価値は。)

今夜、総理がZurichに到着されます。明朝、当地に入られ、Blair、Bono、Gates等と会談、そして演説。その後は財界の方たちと昼食と、スケジュールがみっちり詰まっているそうです。演説の原稿を総理自身が本当に気に入っているのか、個人的にはちょっと懸念はありますが、準備された皆さんご苦労様でした。結果は世界の評価です。さて、日本ではどう報道されるでしょうか?外では?表に出ない評価は?

夜は、ASEANのレセプションで沢山の人たちと会いましたが、結局いつものメンバー、Victor Chuさん(彼はどこに行っても顔が広い。仕事とはいえ海外は1年のうち250日以上のようです。すごいエネルギーですね。)とJohn Gageとで隣のホテルのバーへ。そこでHarvard Business SchoolのMichael Porterが合流して楽しい時間をすごしました。これがダボスの楽しさです。

Img_1074


写真6 Chuさん、Gageさんと




夜11時から、インドが主催する“Bollywood Party”に来てくれと誘われていますが、さてと・・・。


2008年1月25日 (金)

ダボスから、その2

第1日目の最後に行われた基調講演は米国のRice国務長官でした。今のアメリカとこれからの世界とアメリカの責任について、明確なメッセージをゆっくりと、堂々と話されました。その後、Blair、Kissinger、J. Dimon(JPMorgan and Chase)、KV Kamath(ICICI Bank、India)、IK Nooyi(Pepsi、有名なインドのIIT出身の女性・・・日本の企業で想像できますか?)、DJ O’Reilly(Chevrons)、Wan Jianzhou(China Mobile Communications Corporation)等、世界中の政治、ビジネスのトップが壇上に上がり、いくつかの質疑応答があり、Riceさんの対応も立派なものでした。これが世界なのです。大勢の見ている前での応答です。

今年は特に参加者が多く、しかも国家元首が20人以上こられるそうです。第1、2日目だけでも、Karzai (Afhjanistan)、Musharraf(Pakistan)、Yushchenko(Ukraine)、Simon Perez(Isreal)等々、さらにAl GoreやBill Gatesです。

日本は2001年の森総理以来でしょうか、福田総理がこられます。TICAD、G8サミットのホストとして世界が期待しています。どのようなメッセージを発信されるでしょうか。役所の文章からはるかに離れた、世界第2の経済大国としての首脳に相応しい格調高いパンチの効いた演説であることを期待しましょう。「政治家は言葉」ですからね、国内はともかくとして。海外プレスへの戦略的対応も大事です。

緒方貞子さんは言うまでもなく日本を代表する国際人ですが、竹内弘高、石倉洋子の一ツ橋ビジネススクールの国際派、また竹中平蔵さん等々が、いろいろなパネル、司会などで大活躍です。WorkSpaceというbrainstormingセッションでも、竹内さんの司会は皆を楽しませながら話を進める、いつもながらの腕前です。これはちょっとまねができませんね。

Img1_1051


写真1 会場で鳩山さん、藤崎大使と




夜は東大・慶応大のホスト、帝人・双日の支援で、Japan Sushi Receptionがあり、多くの政治、学会、ビジネスに携わるお客様が大勢こられました。このような催しは財界が率先してすべきですね。ここはあくまでも世界経済フォーラムなのですから。

Img2_1055
写真2 Japan Receptionで
武田製薬の長谷川さん、インドの有名な政治学者で友人のChallaneyさん、経済同友会の桜井さんと



Img3_1056


写真3 NHK「Close-Up現代」の国谷さんと




Img4_1057


写真4 北京大学長と




政治家では中川秀直、尾身幸次、鳩山由紀夫(小沢一郎党首がこられなくなったそうで)、塩崎恭久、古川元久、猪口邦子さん等、ビジネス界からはトヨタの奥田さん、住友化学の米倉さん、経済同友会の桜井(リコー)代表幹事、帝人の長島さん、武田の長谷川さん等、会長や社長が多士済々。藤崎大使、G8サミットシェルパの外務省河野審議官、NHKの今井さん、国谷さん、そして北京大学長のXu Zhihongさん、Gates財団 Global Health InitiativeのDr. Tachi Yamadaも顔を出して、皆さんで日本の貢献などについて話しました。Googleの創始者S. Brimもちょっとだけ顔を出しました。そうそう、iPSで一躍世界に躍り出た京都大学の山中さんも来られてました。

Img5_1059


写真5 竹中さん、Dr. Yamada、Bonoのスタッフ2人と



Img6_1061

写真6 Dr. Yamada、石倉洋子さん、慶応大学の安西塾長と




今年は福田総理が来られるということで、どこまで世界政治のリーダーの一人として、どこまで高い理想と踏み込んだ政治家の発言ができるか?、皆さん期待とちょっとした不安がないまぜ、といった雰囲気といえましょうか。

過去のダボス会議の報告も見てください。お馴染の顔も出ています。


2008年1月24日 (木)

ダボスから

例年のことですが、1月末にはダボス会議が開催されます。今回で8年連続の出席です。過去にも同じ時期にブログで報告をしているので見てください。

去年からですが、雪がとても少ないです。昨日は少し降りましたが本日は超快晴です。

今年は26日に総理が来られて演説をされるので、いつもより財界人の出席も多いようです。いいことですね。トヨタの奥田会長も24日にいらっしゃるそうです。往路のフライトでは緒方貞子さん、住友化学の米倉社長さん(ご両者ともご夫婦でした)、そしてNHKの今井さんたちとご一緒しました。

さて、23日初日の最初のセッション「Update 2008: Defining Innovation」に参加しました。IDEOTPG GrowthDoblinなど、米国のCEOとPartner、Index(NPO、Denmark)のCEO、それと私の5人で、司会はNussbaumさん(Business Week)で行なわれました。クリーンエネルギー投資、弱者救済、open innovation等の話がメインで、皆がグローバルな課題を中心に問題設定をしているのは頼もしく感じました。ちょっと「おや?」と意外に感じたほどです。TPGのMcGlashanさんの話から、私の友人でもあるSteven Chuの話が出て、そのことを話すと、「彼のことはよく知っている、大変素晴らしい方で、応援している、彼のprojectにも投資しているよ」と言っていました。

さて私は何をしゃべったかというと、“Googleの10年”、“10年前には瀕死だったAppleから、iPod、 iPhoneが”、“大ヒットしているNintendo ‘Wii’で、ビデオゲームに弱いお父さんが孫と遊んで汗をかく”、“Nergroponteの‘One laptop per child’のコンセプトはSoftwareからして画期的”等々、最近のフラットなグローバル社会のinnovationとして例示し、世界が抱える課題への貢献意識が世界中に広がっていることを指摘しました。加えて、2006年、2007年のノーベル平和賞がグローバルの課題に対する回答、つまりinnovationの目標として啓示的であることを話し、皆さん納得してくれたと思います。この辺の問題意識は、1月2日10日のブログなどでも繰り返し発信しているところですので、このブログを見てくださっている方たちには理解していただけるかと思います。

その後、隣に座った二人で相談しあって、新しい提案を出すというセッションがありました。結構面白いアイデアが出るものですね。感心しました。

後で何人かの方が、私の問題提起は明確で、刺激的で、とてもよかったと言ってくださり、嬉しかったです。フィードバックはありがたいです。いいときは褒めましょう、特に子供達をね!

今年のダボス会議ではClimate Changeのセッションが“28”も設けられていて、ビジネス界における問題意識の大きさを示しています。日本の産業だけが閉じこもり症候群に見えます。

その後のセッションでは、去年のノーベル平和賞IPCC座長のPachauriさんにお会いしました。来月、東京にお招きしていますので、楽しみにしていてください。


2008年1月17日 (木)

WHOコミッション、WHO神戸センター、グローバルヘルス

16日から、WHO Kobe Centerで行なわれているWHO Commission for Social Determinents of Health(CSDH)の会議に来ています。Kobe CenterはCSDHの1つのハブとして機能していて、今回も16人のCommissionersが参加しています。2005年の3月にスタートしたCSDHについてはこのブログでも何度か報告しましたが(北京VanacouverGenevaNairobiなどから)、今回が10回目で最後の会議となり、最終報告を6月に提示する予定となっています。

今回WHO Kobe Centerで会議が開催できたのは、まだ2週間程しか経っていませんが、2007年12月まで所長を務めた元厚生労働省局長の岩尾さんのおかげです。新しく所長に就任されたクマレサン氏にとっても、就任直後の大きな初仕事となってよかったと思います。16日の夜に行なわれたレセプションには、岩尾前所長、クレマサン新所長、兵庫県知事、そして神戸市長なども出席されました。そして、今日17日は阪神淡路地震から13年目となる日。この大震災の被害を受けて、その翌年にこのWHO Kobe Centerができたのです。

CSDHの会議はこれが最後ですし、日本での開催は今回だけになります。今年は日本がTICAD、そしてG8サミットという世界から注目される会議を主催する年であり、また国連のMDG(Millennium Development Goals)の中間年でもあります。“Global Health”は大きな世界的アジェンダの一つです。昨年11月には高村外務大臣も講演でその意義を述べられていて、その講演の内容はLancetにも掲載されました

今年は日本にとって、世界からとてつもなく注目される年であるのと同時に、責任の重い年でもあります。なのに、年末も正月も株価は下がり、なんだか相変わらず内向きのままの沈滞ムードに感じませんか?そんなこともあって、今月末のダボス会議には福田総理も出席され、演説をされることになっています。明日(18日)の所信方針演説、そしてダボス会議の演説と、官邸のスタッフも大変です。

こうした意味を踏まえて、今回はCSDHのCommissionerの皆さんに、まず15日に東京に来ていただき、午前中に福田総理と高村外務大臣を表敬訪問。そして午後には舛添厚生労働大臣を迎えて、「Global Health as Global Agenda」という国際会議を開催しました。

内向きになりがちな日本の方たちへ、もっと世界の問題へ目を向けてほしいという一つの試みでしたが、200人ほどの熱心な方々が参加され、盛会となりました。基調講演もパネルも、みなさんとても素晴らしかったです。Commissionerの方々も大変喜んでおられました。

私もCommissionerの一人として大変嬉しく思いました。皆さんのおかげです。ありがとう。


イラクのサマワからの便り

1月10日のブログで、在米日本大使館の江端さんを写真(4)で紹介しました。去年、ワシントンでお会いしたのが最初ですが、その時に彼が以前イラクのサマワ(Samawah)に赴任していたことを知りました。彼がその時のことを書いたものを頂いていたので、江端さんの了解を得てここにご紹介します。

 「在サマーワ連絡事務所より」

  「サマーワの笑顔のために」
 (「外交フォーラム」 に掲載されたもので、英語版もあります。)

ぜひ、読んでください。日本の若者たちの、素晴らしい活躍を知ってほしいので、ご紹介します。


2008年1月11日 (金)

ニューヨークから

ニューヨーク(New York City, NYC)に来ました。アメリカ最初の科学アカデミーであるNew York Academy of Scienceを訪問する為です。この何年かお付き合いしていて、去年移転した新しいオフィスに伺いました。会長のEllis Rubinstein(写真1)のオフィスは、9.11の起きた“グランドゼロ”の隣にあるビルの40階。“グランドゼロ”を直下に見下ろすことができる場所です。朝8時半から約45分間のインタビュー。10時からは、「Scientists Without Borders」(写真2)という新しい企画の評議会が行なわれました。聞いたことのあるような名前じゃないでしょうか?そうです、「国境なき医師団(Doctors Without Borders)」から取った名前です。同じようなミッションを考えているのです。私を入れた12人ほどがAdvisoryメンバーとなっています。

Img1_1024
写真1 Rubinstein会長と彼のオフィスで
(彼の奥様、Dr. Joanna Rubinsteinさんは、Jeffery Sachs氏が推進するプログラムのExecutive Directorをされていて、この日はDr. SachsとEthiopiaにいるようです)


Img2_1019


写真2 Advisoryに参加のメンバー、NYASスタッフと



AdvisoryメンバーにはKenyaのDr. Wakhunguも参加されています。ご存知かと思いますが、Kenyaは大統領選挙の直後で、不正の疑いがあるなどとして大騒ぎが起こっています。特にキベラスラムなど、大変なことになっていると報道されていたので状況を聞きましたが、本当に大変なようです。2006年6月のブログにも書いたOlympic学校2007年10月のブログでも触れています)も焼かれてしまったそうです。なんとか復興させたいですね。

また、昨日のWashington DCでもお会いして、ブログでも紹介したDuke UniversityのVictor Zhauさんも、このAdvisoryメンバーに参加していて、今日も一緒です。昨年10月にもご紹介したIntl AIDS Vaccine Initiative(IAVI)Dr. Seth Berkleyもメンバーの一人で、実体験に基づくアイデアをいろいろと出してくれます。3時間延々とBrain Stormingをし、このICTの時代、登録方法を含め、いろいろな可能性と運営方法、資金等、課題がたくさんありますが、いい勉強です。Columbia大学医学部M.D.-Ph.D.コースの学生(ご両親と一緒にインドから移ってきたそうです)も一人参加しています。若い人たちも参加させながら、このような新しい企画を作っていく。なかなかいいですね。時間がかかっても立ち上げたいです。

Img3_1032

写真3 NYASの受付に置かれたDarwinの胸像の前で、NY総領事館の三浦副領事と




午後は「Foreign Affairs」で有名なCouncil of Foreign Relationsへ。なんと昨日、以前にも紹介したGates財団のTachi Yamadaが、「Global Health」の講演をしていたのでした。私もWashington DCの世界銀行で同じテーマの講演をしていたのですから、偶然とはいえ面白いものですね。あとで早速メールしておきました。目的はこの「Foreign Affairs」2007年1・2月号に、「AIDS援助プログラムには実に無駄が多い」と指摘する素晴らしい論文を書いたSenior Fellow for Global HealthのLaurie Garrettさん(写真4)に会うためです。私はこの論文に注目して、今年の5月に横浜で開催されるTICADにあわせて第1回の受賞式が行われる、小泉元総理の提案で始まったNoguchi Hideyo Africa Prizeの選考委員になっていただいたこともあり、そのお礼も兼ねて意見交換に来たのです。

Img4_1025


写真4 Laurie Garrettさんと




ニューヨークも暖かいです。この街には独特で不思議な魅力がありますね。

Img5_1027


写真5 NYCの街角で




続いてRockefeller財団を訪問です。Managing DirectorのDr. Ariel Pablos-Mendez(写真6)に会いにいきました。彼が主催した会議の報告書、「Pocantico II:The Global Challenge of Health Systems」に注目し、意見交換に来たのです。Rockefeller財団の会長、Dr. Judith Rodinからは、「どうしても時間が合わなくて・・・」、というメッセージが残されていて、残念ながら今回は会えませんでしたが、2週間後に行なわれるダボス会議で会えることでしょう。

Img0_1029


写真6 Dr. Ariel Pablos-Mendezと




Dr. Rodinは、1994年にIvy Leagueの大学で初めて女性の学長になった方です。私のアメリカでのキャリアが始まったPennsylvania大学の学長としてです。今では、Ivy Leagueの8校のうち、4校(Princeton、 Pennsylvania、Brown、Harvard)で、女性が学長をされています。日本はどうでしょう、私はくどいぐらい繰り返し発言し、プッシュしているのですけどね。

彼女の前のポストはYale大学のProvostだったのですが、何度か紹介していますが、現在のCambridge大学のDr. Allison Richard、MITのDr. Susan Hockfield等も、その前職はYale大学のProvostだったのです。偶然ですかね?これはYaleの人を見る目が素晴らしいうということでしょうか。

この日はNew Hampshire州でアメリカ大統領の予備選挙が行われ、クリントン候補がIowa州での負けを取り返し、Obama氏と1勝1敗になりました。初の女性大統領となるのでしょうか。

この2日間の訪問と講演の主な目的は、今年1、2月に東京で開催されるGlobal Health関係の会議(WHO、世界銀行、Gates財団、NPO医療政策機構、日本政府などが関与しています)への準備と、それらを通して、TICAD、そしてG8サミットへの広報とその準備という面が大きいです。

夜は、午前中に一緒だったDr. RubinsteinとDr. Berkeley、そして今年の夏に東京でお会いした、今はColumbia大学大学院、School of International and Public Affairsで勉強している中曽根君を呼んでSohoでディナー。彼はとても素晴らしい若者です。世界を目指して大いにがんばってほしいですね。名前から感じたかもしれませんが、そうです、中曽根康弘前総理のお孫さんで、お父さんは中曽根弘文参議院議員です。

9日の朝、JFKAirportから帰国の途につきました。


2007年12月21日 (金)

世界遺産の町Bathから

14日、LondonからBathへ車で約2時間の移動です。Bath郊外にあるLuckman Park(写真1)という広々とした荘園でしょうか、Hotel、会議の会場として使われています。昔は狐狩りなどもしていたのでしょう。このようなところには何度か行ったことがありますが、英国の豊かさを感じさせられます。ここが会議場なのですが、とにかく寒くて、天気は雨模様、とても外に出る気分ではありません。もっとも、到着してすぐに昼食を取り、ちょっと一休みした後は、ほとんど目的のCarnegie会議でしたけど。

Img_0964


写真1 「母屋」玄関からエントランスを見る




ホスト国UKのKing顧問、USのMarburger顧問、ロシアのFursenko大臣、カナダのCarty顧問、MexicoのHicks氏(Director、National Council for Science and Technology)と私で会議を開始。各国の科学政策動向、気候変動への対策等についてプレゼンと議論を行い、話は大いに弾みました。EUのPotocnik大臣は飛行機が大幅に遅れて夜遅くに到着、フランスのPecresse大臣は15日早朝の到着となりました。ドイツSchavan大臣(King、Carty両氏とともに10月の京都STS Forumでお会いしました)は急遽入った公務で欠席です。

Img_0958

写真2 前列向かって左からCanada、UK、France、後列左からRussia、USA、Mexico、EU、Japan



翌15日はドイツを除く全員が会議に参加。私は日本で2008年に開催されるG8、TICAD他の予定、また2008年はMillennium Development Goalsの中間年であること、そしてまだ出たばかりの環境審議会の報告書ドラフトなどを中心に議題を提供しました。午後にはBaliの「COP13」の速報が入り、夕方にはLondonからTVのライブ取材が来てKing卿が対応。この辺が、英国の報道と政府対応の上手さですね。感心します。

Img_0962

写真3 左から、EU、Japan、UK、Mexico、USA




夜はBathの街をツアー。ガイドのおばさまがとても張り切って、丁寧に案内してくれました。街の中心を30分ほど歩きましたが、気温は零下、とても寒かったです。食事はLuckmanで。

Img_0959


写真4 食前のChoir




翌16日午前は、シェルパを入れての会議。2008年のG8サミット、これからの大型科学政策、低炭素社会科学技術への意見、要望等々が話し合われました。

Img_0967

写真5 玄関前で左から、西ヶ廣公使、私、板倉参事官




Img_0968


写真6 玄関前で、松浦一等書記官と




会議終了後はLondonから前夜から来てくれていた西ヶ廣行使、松浦書記官たちと歓談。しばしの後、板倉参事官とHeathrow空港へ向かいました。17日月曜の午後に成田着。短い旅はいつものことですが、しかし、くたびれた100時間の旅でした。


2007年12月18日 (火)

Londonから

いよいよ今年もあと残すところ3週間。12月13日からロンドンへ向かいました。14~17日、BathでG8科学顧問、担当大臣が集まるCarnegie会議なのです。

London到着後、一休みしてRoyal Societyへ。会長のLord Martin Reesさん(写真1 コラム:2006/2/82006/9/11)を訪問しました。2005年のGleneagles G8 Summit以来、Royal Societyと日本学術会議との間では親密な協力関係が構築されています。来年のG8では日本学術会議の活躍を期待しています。

Img_0955

写真1 Royal SocietyでMartin Rees氏、大使館の松浦一等書記官と




Img_0952_2
写真2 Royal Societyのバルコニーで、Barnie Jones氏、Rees氏と
(ちょっと見難いですが、私の右後方のオレンジ色の二つの「目玉」のようなものはBig Ben。左に見えるのは観覧車です。)


13日は野上大使公邸で夕食会(今年の1月にもお世話になりました)。今年の初めまで日本学術会議事務局長を勤めた西ヶ廣公使、高岡公使、松浦一等書記官、同行の板倉参事官、そして11月のAbu Dhabiにも参加してもらった、ロンドンベースの「クリーンエネルギー」分野に特化したベンチャーキャピタルの野村さんがご一緒です。野上大使は政治ばかりでなく、経済に実に詳しい。また、第2次大戦で日本の捕虜になった英国人(POW)との年次会などに参加され、誰かが亡くなると万難を排して葬儀に出られているそうです。地味ですが、このような目立たない活動は本物の外交の基本です。どこでも付き合いというのは人間同士なのです。

それにしても、英国はこの10年でGDPが約40%も成長していて、その中心はサービス産業ですが、金融力も恐るべし。このところCityの取扱額はNYSEを超え、さらに「サブプライム」を嫌って米国から、人も資金もCityに集まり、さらに活発化しています。後に知った情報ですが、今年のCityのボーナス全体も極めて巨額(1兆円を超える!)で、景気の良さを反映しています。その辺の事情、政策、Gordon Brown首相の人気の急激な低下等々、野上大使の分析は地に着いていて、たいしたものです。

話が弾みに弾み、結局、夕食会は夜中の12時まで続きました。野上大使、そしてお付き合いいただいた皆さん、ありがとうございました。


2007年12月13日 (木)

最近の国際ジャーナルで日本特集

最近、英語の雑誌ですが、The Economist(December 1st)とNewsweek(International版)で、日本の特集が組まれました。

Zthe_economist_ugoing_hybridv





写真1 The Economistの特集のカバー







The Economistでは、表紙に「A 14-pages special report on business in Japan」とあり、特集のはじめに「Going Hybrid」(写真1)とあります。5つの報告のタイトルは 1)Message in a bottle of sauce; 2)Still work to be done; 3)Not invented here; 4)No country if an island; and 5)JapAnglo-Saxon capitalism (スペルの間違いではありません!でも、これ本当?)となっています。

タイトルは魅力的ですが、この特集全体としては、予測されるところですが、日本の企業もいい方向に動いているが、動きが遅く、スピードが課題だという指摘です。各報告のタイトルのサブタイトルを見ると、内容を読まないでもそのメッセージが読み取れるのではないでしょうか(英語でごめんなさい、これは訳しても仕方ないので我慢してください)。

1)Message in a bottle of sauce; Japan's corporate governance is changing, but it's risky to rush things;
2)Still work to be done; Japan's labour market is becoming more flexible, but also more unequal;
3)Not invented here; Entrepreneurs have had a hard time, but things are slowly improving;
4)No country is an island; Japan is reluctantly embracing globalization; and
5)JapAnglo-Saxon capitalism; Have Japan business practices changed enough?

Znewsweek_dec10_2007





写真2 Newsweek、12月10日号の表紙







Newsweekの12月10日号(写真2)では、もっと直裁的です。表紙のキャプションは「How Japan Lost Its Groove; The Asian powerhouse struggles to explain its stumbles in hot technology」です。本文のタイトルは「Why Apple Isn't Japanese」

私の友人の石倉洋子さんもインタビューを受けたようで、その分はOn-Line版に出ていますし、また石倉さんご自身のblogにも、ちょっと申し訳なさそうな感じに書かれていました。

世界は日本のビジネスのことを気にしているのです。どうなりたいのか、何をしたいのか、良くも悪くもね。

2007年11月26日 (月)

Alexandria図書館で日本アラブ会議

11月19日、夕方に羽田から関空へ。そこからDubaiに飛び、さらにAlexandria、Egyptにきました。それにしても、4週間で3回目のDubai空港です。20日の11時30分に現地に到着、そのまま図書館へ向かいました。このAlexandria図書館2,300年前にできた世界で初めての学術アカデミーあり、素晴らしい建築物も5年前に再建されました。私の友人でもある図書館長Serageldin氏のリーダーシップの下で内容も急速に充実し、素晴らしいプログラムをたくさん提供しています。私も3年前からこの図書館の理事、Board of Trusteesを務めており、毎年春に行なわれる理事会にはご当地に来ています。

図書館に到着して時間ぎりぎりでしたが、まず1時からHelal高等教育科学技術大臣との面会。何度もお会いしていますが、もともとは学者で、素晴らしい方です。日本の支援は相当なものですが、最近ではオペラハウスも建設され、さらには日本の支援による科学技術工科大学設立の企画もあるようで、大変うれしいことです。Helal大臣との面会では、特に学術交流を中心にお話しました。

Egypt01写真1 図書館のテラスで

今回の目的である日本アラブ会議は、日本側が120人程度、アラブ側が150人程度の参加となりました。政治、経済、科学技術、環境、医療、文化、芸術等の広い分野の課題と交流について、全体会議、分科会などに分かれ、なかなか活発な議論が行われました。日本からは団長が中山太郎議員、ほかには尾身幸次議員、小池百合子議員がおられ、財界では根本二郎日本郵船名誉会長、梅田貞夫鹿島建設会長など、学術界では中東政治では大活躍の山内昌久教授、外務省環境担当の西村大使、また映画の山田洋二監督は「たそがれ清兵衛」が上映されることもあって来ておられました。私は、環境、水についてのパネルの司会、ほかのいくつかのパネルにも出ました。アラブ側代表にも何人かの知人も来ていてうれしかったです。

前からお会いすることになっていたのですが、なかなか時間が合わない有馬龍夫日本政府代表。ここ何年かは中東担当専門になっておられるようですが、久しぶりにお会いしてゆっくりお話しする機会のあったことが収穫でした。政府関係では、外務省からは駐Egyptの石川大使は言うまでもありませんが、元駐Egypt大使の片倉、須藤氏のお二人も参加され、このようなことは珍しいという話もありました。また、在モロッコの広瀬晴子大使(UNIDOでNo.2として活躍していた森山真弓議員のblogでも紹介されています)もこられました。さすがに長く国連関係のお仕事をされているので、ちょっとしたご意見でも国際的センスがすぐにわかります。

Egypt02写真2 Hernan Palestine Hotelで。右から、石川薫大使、須藤隆也国際問題研究所軍縮センター長(元エジプト大使)、山内昌之東大教授、道傳愛子NHK解説委員、わたし、沼田貞昭国際交流基金日米センター長(前カナダ大使)、杉山晋輔外務省中東アフリカ局審議官


中東地域は、日本としては宗教的な対立はないし、従来からよい関係を築いているわけで、これからも大いに相互交流を推進すべき地域です。日本の交流はもっぱら石油関係が中心、アラブも日本のことをあまり知らないのではないか、というのがお互いの基本の共通認識で、もっともっと各分野での交流を広げるべし、ということで意見が一致していました。さらに環境、クリーンエネルギーや水問題などでは日本の貢献は計り知れないという点でも一致していました。

21日の夜、カイロのテレビでは、小池百合子議員が一時間ちょっとですが、1対1のインタビューに出演しておられました。流暢なアラビア語で、時々「Global warming」や「CoolBiz」などの言葉が出ていましたが、たいしたものですね。現地では、10年前から砂漠に植樹が進められており、もう1万4000本にもなるそうです。今年はカイロ大学100周年ということです。カイロ大学卒業生の小池議員はこちらにも多くの友人、有力者とも個人的なつながりがあり、感心させられます。

帰路は22日の昼に出発。Dubaiでは5時間ほどの時間があったので、街に出てMs Lama Farsakh(写真3)さんと夕食。Palestineの方で、ご主人はEgyptの方、娘さんがお二人。特にIsrael-Palestine問題についていろいろと話を伺いました。

Egypt03


写真3 Ms. Lama Farsakhさんと

2007年6月19日 (火)

Challenges for Japan's Scientific Community in the 2008 G8 Summit


 Challenges for Japan's Scientific Community in the 2008 G8 Summit


出典: AJISS Commentary