世界銀行での会議、そして世界銀行で働いてみよう

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12月10、11日、Washington DCの世界銀行World Bank「2009 Global Forum: Building Science, Technology and Innovation Partnership for Building Capacity 科学・技術・イノベーションと持続可能な開発」をテーマにした会議に参加しました。去年 (資料1)、   から今年にかけて私も計画に参加してきました。Peter McPhersonさん(今年の4月にご一緒しました。) と私が最後にまとめとして、これからの世界銀行の役割について提言しました。

日本からは内閣府の岩瀬審議官とJICAの後藤光(こう)さんの発表もありました。なかなか良かったです。

私の提案骨子は;1)今回のいろいろな発表があったように、グローバル化した世界では、このような問題でも受け手の国の状況が大きく違うこと(貧困ばかりでなく、初等教育の広がり等)、多くの利害関係者、多様ないろいろな試みからお手本になるような新しい活動から成功例が出現していること、また科学アカデミー、大学や研究機関のグローバルな連携が広がり始めていること、世界のフラット化がさらに進んでいること(携帯電話の広がりなど)をどう活用できるか、各国のODA政策の違いや重複などを考慮することが大事。2)なんと言っても世界銀行は各国政府へ直接話ができること、したがって各国へ中長期的な、重点的な計画を含めて提案ができること。3)今回のような新しい成功事例は公的性格の銀行にはなじまないが、これらの事例を広げていくことを銀行の政策の一つとして考える。4)これらの新しい成功事例の実現者、代表者などを「世界銀行科学特使Envoyとか Ambassador」のような役割を依頼する。5)イノベーテイブな活動などを紹介、世界銀行「Flag-ship」モデル事業として認定し、ウェブなどでも紹介、地域で採用できる可能性を探ること、このようなプロセスから実行力ある政策実現へ地域社会を動かし、国の政策実現の可能性を高めること、などです。

この会議へ参加の皆さんからの期待などはYouTubeでも見る、聞くことができます。また報告、ウェブ等が出たらお知らせします。

Washington DC滞在中は、World Bank GroupsのMIGAのトップ、世界に輝く日本女性の一人である小林いずみさん(世界中を飛びまわっています)、駐米藤崎大使と大使館科学アタッシェの犬塚さん、University of California at Berkeleyと東京大学で活躍する村山斉(ひとし)さん、Harvard大学のCalestous Jumaさん(資料1)、日立Washington DCの Ohdeさんたちにお会いし、ご馳走になり、十分な意見交換の時間をいただけました。

世界銀行ではZoelick総裁が日本訪問したばかり。日本人スタッフ、上級職をもっと増やしたいということです。日本企業からの出向でも大いに勉強になりますし、そこからの人脈つくり、世界の動向の把握と将来のビジネスの可能性などを考えても、いいことが多いと思います。学問を深めるのであれば、世界銀行経験者から多くの俊才が出ていますね、Nobel経済学賞のStieglitzとか、「Stern Report」のNicholaz Sternとか。個人の、企業の、国家の将来にしても、もっと大きく考えることもいいのではないですか?

Washington DC滞在中にお世話になった皆さん、ありがとうございました。