Sloveniaから、G8科学顧問会議

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14日に沖縄を出発し、15日の朝にパリの空港に到着。一日早くパリ入りしていた内閣府の次田氏と合流して、Sloveniaの首都Ljubljanaへ。そこから迎えの車に乗って、空港から30分ほどのところにあるBledにやって来ました。緑の多いとてもきれいな場所で、日本でいう箱根のようなところです。Lake Bledという湖のほとりのVila BledというHotelにチェックインしました。このHotelは、SloveniaがまだYugoslaviaの一部であった時代に、Tito大統領が宿泊されたこともあるそうで、なかなかのものです。

Sloveniaは、Croatia、Bosnia、Kosovo、Macedoniaなどと共にYugoslavia紛争の場として覚えている方も多いと思います。Yugoslavia連邦の解体へと繋がるSlovenia紛争は、幸いなことに十日間という短い期間で終結し、ほんの少しの犠牲で、1991年に独立を果たしました。人口は200万程度。首都のLjubljanaの人口が30万で、そのうち5万人が大学生という、若い人の多い都市です。町は落ち着いていて、とてもきれいです。

Vila BledとBled湖の風景です。

写真1~4: Vila Bledと湖の風景

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ここに来たのは、G8の科学顧問会議(通称、「Carnegie会議」)に参加するためです。 この会議は、15年前にCarnegie財団の肝いりで始まり、年に2回開催されています。今もCarnegieの名前は残りますが、現在は独立した運営となっています。 元々はG7の会議でしたが、ソ連の崩壊でロシアが加わりG8になり、他にEUも参加しています。英、米、カナダ、日本からは首脳の科学顧問が出席し、EUなどからは科学政策を担当する大臣が参加。なので、国によっては教育担当大臣が参加しています。

今回のホストはEUの科学担当大臣(Commissioner)で、EUの科学技術CommissionerがSloveniaのJanez Potocnik氏ということもあって、この場所で開催されたのです。彼は経済が専門だそうですが、まだ若くてとてもてきぱきとした優秀な方です。EUの担当大臣を3年も勤めているのも頷けます。

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写真5:Bush大統領の顧問John Marburger氏、ドイツのAnnette Schavan文部科学大臣

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写真6:Marburger氏と

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写真7:ロシアのAndrei Fursenko氏、Schavan文部科学大臣と

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写真8:イタリアのFabio Mussi文部科学大臣(写真中央)

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写真9:英国のKing卿

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写真10:King卿、Potocnik氏のスタッフと

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写真11:Potocnik氏と

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写真12:カナダのArthur Carty氏と

(フランスから新任のValerie Pecresse高等教育科学大臣が参加されていましたが、日帰りで帰国されてしまったので、残念ながら写真がありません。)

ドイツで開催されたG8サミット(ハイリゲンダム・サミット)では、予想はされていましたが、ドイツのMerkel首相を始めとするEUと米国の間で、炭素排出量の目標設定で折り合いがつかない雲行きだったそうで(実際そのようだったようで、外務省の方、そして総理からも直接そのように聞きました)、休憩後に、安倍総理が「2050年に50%」という共通目標を提案したことによって、今回の合意となったそうです。この合意については英米の科学顧問から、大変感謝されました。国内の政局はそれどころではないので、この辺りについてはあまり報道されなかったようです(私もG8サミット期間中は国内にいませんでしたので、日本での報道は見ていません)。

案内をしてくれたシェルパの方、それから日本から随行してくださった内閣府の次田さん、ご苦労様でした。

次回のG8科学顧問会議は、12月に英国で、その次は来年4月のG8サミットを前に、日本での開催となります。